コーチングのステップまとめ
これまで、コーチングに関して文献等を当たり、概念的なことを理解した上で実施と修正をしてきた。アスリートのコメントやYoutubeでも参考にした情報もある。子供向け教育だけでなくマネジメントや自分の子の育児でも実践してみた。
自分の中に半分体系だった段階だったので、いま感覚的に実践法として捉えていることを文章化してみる。各種文献では具体的な実践方法が多く、うまくまとまったものが見つからなかったことも大きい。
おもにコーチングの仕組みづくりにおいてはコーチングを体系的に理解しておくことが不可欠だと思う。コーチングの実施にはもちろん実践方法のほうが重要なのだが、ここではそれは省く。
- 楽しみを見つける手伝いをする
これを知る者はこれを好む者に如かず。
これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。
孔子
はじめのステップは楽しみを見つける手伝いをする。一部で良いので、ここが楽しいというところを一緒に探る。楽しそうにしていたら、ここ楽しかったよね。と声がけをし、気づきを促す
2. 習慣化の手伝いをする
人は繰り返し行うことの集大成である
アリストテレス
楽しみを見つけても、続けないと結果を得られない。習慣化のためのアシストをする。声がけをする方法もあるし、可視化する方法もある。基本的には前のステップで見つけた楽しさをもう一度というかたちで習慣化の働きかけをする。
ここでは習慣化のための振り返り、なぜ習慣化出来ないかまではやらない。飽きすらものこない段階。
3. 目標設定をする
戦争は終わる
あなたがそう望むなら
ジョン・レノン
ある程度の習慣化を達成したら目標設定に入る。なるべく本人が設定するのが好ましいが、目標が無いよりはあったほうが良いので、自分から設定してあげても良い。恒常的な目標でなくともよい。
逆に恒常的な目標がある場合は、そこから目の前の目標を設定できるので活用する。目標設定が明らかにうまく行かない場合は、楽しくても向上心がないものだったりするので、1.以前のステップからやり直す。ここでは省いたが、最初にやることを決めるというステップがある。
なお、ネガティブな目標よりポジティブな目標が良い。ただしないよりあったほうが良いのは同じ。ネガティブを避けたいのはモチベーションが下がりやすいから。この次のステップの継続に影響する。
なお、目標を設定する理由はいくつかあるが、主な目的は、行動を変えるため。コンフォートゾーンを出るという言い方もされる。つまり、今のままでもある程度の成果が出るが、より多くの成果を得たいと思うと、行動のレベルを上げなくてはいけない。その行動を起こすために、高い目標という位置エネルギーを活用する。
なので、本来は高ければ高い目標が良い。3回目の繰り返しになるが、目標は低くてもないよりはあったほうが良い。なお高すぎる目標は次のステップに影響をする。
4. 自信をつける
「どんな人だって成功できる」 自分にそう何度も言い聞かせ続けていれば、絶対に成功できる。
ジョン・レノン
目標に向けて続けていかないと結果でない。高い目標を掲げていると習慣化だけでは不十分となることが多い。そうしたときに、続けられるかは、本人が達成できると思っているかに強く依存する。そのため、コーチングの役割は、本人が達成できると思えるような自信をつけさせることになる。
5.一緒に振り返る
自分自身が無知であることを知っている人間は、自分自身が無知であることを知らない人間より賢い。
ソクラテス
目標をミートしているか、定期的に振り返る。ここで初めて習慣化の振り返りをおこなう。達成できていなくても何かしら変化があるはずなので、そこを承認しつつ、さらなる飛躍ができるような促しを行う。
なお、もう一つポイントがある。人は、自分がやっていることを肯定する習性がある。そのため、自分がやっているようなことを否定される結果などがでたときに、無意識的に自分を騙す。認知的不協和とも呼ばれるような現象が起こる。
コーチの役割としてこの認知的不協和を見逃さないことと、直接的には言わず質問などを通じて、この認知的不協和状態を気づかせることができると良い。失敗に一緒に向き合う。
ここまでできていれば、あとはこのサイクルを続けることで大きな結果を得られるはずだ。
6. クライアントを掘り下げる
汝自身を知れ
ソクラテス
ここからさきのステップは高等編であり、必ずしも進まなくても良い。ただし進めば進んだだけ得られるものはある。
クライアントの掘り下げに必要不可欠なものはクライアントとコーチの信頼関係だ。ここまでのプロセスで一定の成果がでていれば信頼関係は構築できていると思われる。一方で性格的な相性もあるとも思われる。
ここで掘り下げをするのは、クライアントが真に人生において向き合いたいテーマを探ること。基本的には無意識レベルで隠されているので、それを一緒に掘り下げる必要がある。
7. マスタリーに入る
朝に道を聞かば夕べに死すとも可なり。
孔子
人生のテーマが見つかったら、あとはそれをこれまでのスッテプと同じように実践することになる。この状態をマスタリーに入ると呼んだりしている。自分の人生の一生涯、または自分の人生の一生涯を超えて達成したいと思うことをテーマに行動をしていく。
この状態に入っている場合は、コーチングは必要ないケースが多い。自分の人生を俯瞰して見るので、認知的不協和を起こすことも少なくなる。
ただし、注意するのはマスタリーというのは一つの到達点ではなく、状態ということ。つまり、マスタリー状態でなくなることもかんたんに起こる。その際はコーチングによって再度、マスタリー状態に入ることができると良い。